那覇・壺屋やちむん通りを歩く 巨大な「壺屋うふシーサー」と焼物のまち

沖縄旅行で那覇市内を観光する場合、国際通りを希望されるお客様が多くいらっしゃいます。

お土産店や飲食店が並ぶにぎやかな国際通りから平和通りへ入り、さらに少し歩いていくと、街の雰囲気が少しずつ変わってきます。

その先にあるのが「壺屋やちむん通り」です。

沖縄では焼物のことを「やちむん」と呼びます。

壺屋は300年以上にわたって焼物づくりが続けられてきた地域で、現在も窯元や陶器店があり、焼物の文化が受け継がれています。

器を探しながら歩くのはもちろんですが、石畳の道や昔ながらの建物、店先に置かれたシーサーなどを眺めながら散策するだけでも楽しめる場所です。

そして、壺屋を訪れたときにぜひ見ていただきたいのが、大きな『壺屋うふシーサー』です。

約300年続く焼物のまち「壺屋」

壺屋で本格的な焼物づくりが始まったのは、琉球王国時代とされています。

当時の琉球王府が、沖縄の各地にあった窯場を現在の壺屋周辺へ集め、陶工たちを移住させたのが、壺屋、そして壺屋焼の始まりとされています。

それから300年以上が経った現在も、壺屋には陶器店や窯元があり、焼物の伝統が受け継がれているのですね。

沖縄の観光地には、昔の街並みを観光用に再現した場所もありますが、壺屋は観光客が訪れる場所であると同時に、現在も人が暮らし、商売をしながら生活している街でもあります。

そのため普段の那覇の暮らしの中に焼物の文化が残っているところも、壺屋の面白さだと思います。

壺屋の入口で迎えてくれる「壺屋うふシーサー」

壺屋やちむん通り周辺を訪れると、まず目を引くのが「壺屋うふシーサー」です。

「うふ」とは沖縄の言葉で「大きい」という意味です。

その名前のとおり、高さは約3.6メートル、重さは約3トンもあります。

壺屋の陶工たちによってつくられ、2013年にやちむん通りの入口にあたる場所へ設置されました。

正面から見ると、大きな目や口、シーサーらしい力強い姿がよく分かります。

写真だけを見ると「少し大きなシーサー」という印象かもしれませんが、実際に近くまで行くとかなりの迫力があります。

その大きさがよく分かるのが、こちらの写真です。

こちらは以前、観光でご案内したお客様と一緒に撮影した写真です。実際にうふシーサーの近くまで行くと、皆さんその大きさに「おおーっ!」驚かれていました。

大人が横に並んでも、うふシーサーの頭はさらに高い位置にあります。皆さん見上げながら、その迫力だけでなく、細かくつくられた顔や体の装飾にもとても感心されていました。

高さ約3.6メートルという数字だけを聞くよりも、人と並んだ姿を見るほうが、その大きさはずっと分かりやすいと思います。

壺屋を訪れた記念に写真を撮る場所としても分かりやすく、実際に目の前で見ると想像以上に印象に残るシーサーなので、インスタ映えするスポットとしても若いお客様にも人気があります。

国際通りには兄弟の「さいおんうふシーサー」もいます

国際通りの牧志駅近く、さいおんスクエアにも大きなシーサーがあります。

こちらは「さいおんうふシーサー」です。

壺屋うふシーサーとは兄弟とされており、さいおんうふシーサーが先に設置され、その後、壺屋うふシーサーが誕生しました。

国際通りと壺屋の両方を歩く場合には、2体を見比べてみるのも面白いと思います。

沖縄旅行ではホテルや住宅の門、屋根の上などで何気なくシーサーを見かけますが、焼物の街である壺屋を歩いたあとでは、その見え方も少し変わってくるかもしれませんね。

4月3日は「シーサーの日」

壺屋では、4月3日の「シーサーの日」に合わせて、毎年シーサーにちなんだ催しが行われています。

4(シー)月3(サー)日の語呂合わせで覚えやすい日です。

2026年にも「壺屋でシーサーの日」が開催され、シーサーの展示や壺屋の街を巡る企画、スタンプラリーなどが行われました。

そのシーサーの日を前に行われる恒例行事のひとつが、壺屋うふシーサーの清掃です。

壺屋焼物博物館の職員や陶工、地域の方々が参加し、表面についた汚れを落としたり、色が薄くなった部分を整えたりしながら、翌日のシーサーの日を迎える準備をします。

普段は街の入口で静かに観光客を迎えているうふシーサーですが、こうして地域の方々によって手入れされていることを知ると、単なる観光用の大きな置物とは少し違って見えてきます。

壺屋のシンボルとして、地域の方々にも大切にされていることが伝わってきます。

やちむん通りをゆっくり歩いてみる

壺屋うふシーサーを見たあとは、そのままやちむん通りを歩いてみてください。石畳の通り沿いには陶器店や窯元などがあり、国際通り周辺とはまた違った景色が続きます。

大きな観光施設をひとつ見て終わりという場所ではなく、通りを歩きながら気になったものを見つけていくような楽しみ方が似合う場所です。

昔ながらの赤瓦の建物があったかと思えば、その隣には現在の住宅や店舗もあります。

新しいものと古いものが同じ通りの中に混ざっているところも、現在も暮らしが続いている壺屋らしいところだと思います。

たくさんのシーサーにも出会えます

壺屋うふシーサーは街を代表する大きなシーサーですが、壺屋を歩いていると、それ以外にもさまざまなシーサーに出会います。

直売所や陶器店の店頭にも、それぞれ表情の違うシーサーが置かれています。

こちらの写真のシーサーも、直売所の店頭に置かれていたものです。

白を基調に緑や茶色が使われ、壺屋うふシーサーとはかなり違った雰囲気があります。

後ろの壁にも色とりどりの焼物が使われていて、お店そのものが焼物の街らしい風景になっています。

シーサーは同じ形のものが並んでいるわけではありません。

勇ましい表情のものもあれば、どこか愛嬌のあるものもあり、作り手によって顔つきもかなり違います。

お店を巡りながら、自分の好みのシーサーを探してみるのも、壺屋らしい楽しみ方のひとつだと思います。

昔ながらの「まちやーぐわー」も残っています

壺屋を歩いていると、観光客向けの陶器店だけではなく、昔ながらの個人商店にも出会います。

沖縄では、このような小さな商店を親しみを込めて「まちやーぐわー」と呼ぶことがあります。

化粧品や洗剤、日用品などが店頭に並び、現在のコンビニエンスストアとはかなり違った雰囲気があります。

こうしたお店が今も普通に営業しているところを見ると、壺屋が観光客のためだけにつくられた街ではなく、地域の方々が生活している場所であることがよく分かります。

そして、そのまちやーぐわーの店頭にも焼物が並んでいました。

茶碗や小皿、カップなど、色や形の違う器が並んでいます。

鮮やかな青が印象的な器や、魚の模様が描かれたもの、素朴な色合いのものなど、ひとつひとつ表情が違います。

専門の陶器店だけではなく、昔ながらの日用品店の前にもやちむんが自然に並んでいる風景を見ると、焼物が壺屋の暮らしの中に溶け込んでいることが感じられます。

観光地としての壺屋だけではなく、今も人が暮らしている街としての壺屋を感じられる風景だと思います。

昔の登り窯にも目を向けてみてください

壺屋には、焼物の街として歩んできた歴史を伝えるものも残されています。

そのひとつが「南ヌ窯(フェーヌカマ)」です。

壺屋に残る荒焼の登り窯で、斜面を利用してつくられています。

店頭に並んでいるきれいな器だけを見ていると、その器がどのようにつくられてきたのかまでは、なかなか想像することがありません。

昔の窯にも少し目を向けてみると、壺屋が長い間「焼物を作る街」であったことが、より分かりやすくなると思います。

また、壺屋には国の重要文化財に指定されている「新垣家住宅」もあります。

赤瓦の主屋や作業場、登り窯、石垣などが残されており、かつて陶工がこの街で暮らしながら焼物をつくっていた様子を今に伝えています。

完成した器を見るだけではなく、それがつくられてきた場所にも触れられるのが、壺屋を歩く面白さです。

壺屋焼物博物館は現在臨時休館中です

やちむん通りの入口付近には「那覇市立壺屋焼物博物館」があります。

壺屋焼の歴史や製作技法、沖縄の焼物文化について知ることができる施設です。

ただし、2026年10月現在は改修工事に伴い臨時休館しています。

休館期間は2027年3月31日までの予定で、2027年4月1日の再開が予定されています。

博物館が休館している期間でも、壺屋うふシーサーや、やちむん通り、陶器店、昔ながらの街並みなどを散策することはできます。

博物館の見学も予定している方は、お出かけ前に最新の情報を確認しておくとよいと思います。

国際通りから少し足を延ばしてみてください

国際通りからそれほど離れていない場所にありながら、壺屋やちむん通りには少し違った時間が流れています。

にぎやかな通りから歩いて壺屋へ入ると、大きな壺屋うふシーサーが迎えてくれ、その先には石畳や陶器店、直売所、昔ながらの商店などが続いています。

今回ご紹介した壺屋うふシーサーも、それだけを見れば巨大なシーサーの観光スポットですが、なぜ焼物の街の入口につくられたのかを知ると、その先に続くやちむん通りとのつながりも見えてきます。

まずは大きなうふシーサーと一緒に写真を撮り、そこからゆっくり通りを歩いてみる、という楽しみ方でもよいと思います。

お気に入りの器を探して何軒ものお店を巡るのもよいですし、焼物について詳しくなくても問題ありません。

店先のシーサーを眺めたり、昔ながらのまちやーぐわーを見つけたり、気になる器を手に取ったりしているうちに、国際通りとはまた違った那覇の街を見ることができると思います。

沖縄旅行で国際通りを訪れる予定がある方は、少し時間に余裕をつくって、その先にある壺屋まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

昔から続く焼物の文化と、現在の那覇の暮らしが一緒に感じられる散策になると思います。

※店舗の営業時間、新垣家住宅の公開日時、壺屋焼物博物館の休館・再開情報などは変更となる場合があります。お出かけ前に最新情報をご確認ください。

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