備瀬のフクギ並木|美ら海水族館のすぐそばにある、沖縄の原風景

美ら海水族館から車で5〜10分ほどの場所にある「備瀬のフクギ並木」は、わたし個人的にもとても好きなスポットのひとつです。

華やかな施設を見て回る観光とは少し違う、静かで落ち着いた沖縄の風景がここにあります。

美ら海水族館を存分に楽しんだあと、少し足を延ばしてみると、また別の沖縄に出会えます。今回はそんな備瀬のフクギ並木についてご紹介します。

備瀬のフクギ並木とはどんな場所?

沖縄県国頭郡本部町の備瀬地区にある「備瀬のフクギ並木」は、海洋博公園のすぐ近くに位置しています。碁盤の目のように道が通るこの集落には約250戸の住宅があり、その多くがフクギの屋敷林に囲まれています。

フクギは高さが6〜20メートルほどになる常緑広葉樹で、まっすぐに伸びる幹と厚みのある葉が特徴です。

沖縄では古くから住宅を囲むように植えられ、防風・防潮・防火の役割を果たしてきた樹木です。台風が多い沖縄において、強い風や潮から家屋を守るための、いわば暮らしに根付いた実用的な木といえます。

備瀬のフクギも、景観のために植えられたものではありません。長い年月にわたって集落の暮らしを守るために植え続けられてきたもので、古い木では推定樹齢300年ともいわれています。

観光用に整備された公園ではなく、現在も住民が生活している集落そのものが見どころになっているという点が、備瀬の大きな特徴です。

また備瀬のフクギ並木は、その価値が広く認められているスポットでもあります。国土交通省が主催する「手づくり郷土賞」において、平成22年度(第25回)に本部町備瀬区と本部町が受賞しています。

また、2月9日は語呂合わせで「フクギの日」とされており、この地域でフクギがいかに大切にされているかが伝わります。並木の入口付近には「フクギの里宣言記念碑」も建立されていますので、訪れた際にはぜひ記念碑にも立ち寄ってみてください。

頭上まで緑に覆われた、天然のトンネルを歩く

並木道に足を踏み入れると、左右のフクギが道の上で枝を伸ばし合い、頭上まで緑に覆われた景色が広がります。強い沖縄の日差しも葉によってほどよく遮られ、木漏れ日が差し込む静かな道をゆっくり歩くことができます。

夏の沖縄は日差しが特に強い季節ですが、フクギの木陰に入ると、風の通り道になっていることもあって、ひんやりとした空気を感じられます。観光スポットを巡って少し疲れたタイミングに立ち寄ると、ちょうどよい休憩にもなります。

並木道の距離については、本部町観光協会では備瀬崎まで続く代表的な並木道をおよそ1kmと紹介しています。一方、海洋博公園の資料では、集落内に残るフクギを広く含めると約3kmにわたって続くとされています。この数字の違いは、中心となる並木道だけを指すか、集落全体のフクギを含めるかによるものです。

散策は徒歩のほか、レンタサイクルや水牛車で集落を巡ることもできます。水牛車はのんびりとした沖縄の雰囲気によく合っていて、お子さんにも人気があります。どの方法で巡っても、木々の間を抜ける風や葉の音など、歩く速さでしか感じられない備瀬の静けさをぜひ味わってみてください。

レンタサイクルで巡ったお客様の話

以前、卒業旅行で沖縄を訪れたお客様を備瀬までお連れしたことがありました。フクギ並木の入口でいったん降りて、レンタサイクルで集落を巡ってみたいとのことでした。

フクギが作る緑のトンネルの中を自転車でゆっくり走っていく姿がとても楽しそうでした。

戻ってきたときには「インスタ映えする写真がたくさん撮れました」と笑顔で話してくれました。備瀬の海岸でも2人並んで写真を撮っていたそうで、フクギの緑と海の景色、どちらもお気に召していただけたようでした。

こうした写真映えする景色が自然の中にさりげなく広がっているのも、備瀬のフクギ並木の魅力のひとつだと思います。
徒歩と違い、少し広いエリアをのんびり巡れるのがレンタサイクルの良さだと思います。集落の中をくねくねと進みながら、フクギに囲まれた古い石垣や沖縄らしい赤瓦の家屋など、歩いているだけでは見逃してしまいそうな景色にも出会えます。

※レンタサイクルの利用状況や営業時間は変更となる場合があります。現地の最新情報をご確認ください。

現在も人が暮らす集落です

ひとつお伝えしておきたいことがあります。備瀬は観光地として整備されたエリアではなく、現在も多くの方が生活している集落です。

フクギや散策路の景観は、地域の住民の方々が日常的に手入れをすることで維持されています。沖縄県の公式観光サイトでも、「おじゃまします」という気持ちで見学するよう呼びかけています。住宅の敷地に立ち入ったり、大きな声で話したりしないよう、生活環境への配慮をお願いします。

観光地でありながら、今も続く集落の暮らしの中に存在しているという点が、備瀬のフクギ並木をほかの観光スポットとは一線を画す場所にしていると思います。静かな気持ちで歩くからこそ、木々の間を吹く風や、昔ながらの道や建物から伝わる沖縄の生活文化を感じられるのだと思います。

美ら海水族館とあわせて、お立ち寄りすることをお勧めします

備瀬のフクギ並木は、美ら海水族館とセットで立ち寄るのにちょうどよい場所にあります。

観光タクシーであれば、水族館での滞在時間に合わせて柔軟にスケジュールを組めますので、「水族館が思ったより早く終わった」という場合でもその場でご相談いただけます。

並木を歩く時間は、のんびり散策して30〜60分ほどが目安です。水牛車を利用する場合はもう少し時間を見ておくとよいと思います。

北部観光の行程に組み込む際には、ご出発前にドライバーにご相談ください。お客様の旅程やご希望に合わせてご提案します。

※水牛車の運行状況や営業時間は変更となる場合があります。お出かけ前に現地の最新情報をご確認ください。

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